ありがちな経営者の病と処方箋
経営難の中身を考えましょう
ゼロゼロ融資の返済が始まったものの、思うようには売上が戻らない、と嘆いておられる経営者は少なくないでしょう。
コロナの前に戻るのではなく、新たな時代を迎えたとの認識が必要なようです。
売上低迷、販売不振の原因が何なのか。
時代のニーズが変わったためでれば、これから成長する分野や商品への転換が必須でしょう。
コロナが5類になり、今後の成長を期すためには、やみくもに営業しまくるのではなく、マーケットの今後の見極めが重要だと思います。
借金”コンサルタントにご注意!
事業活動をしていく中で、設備投資や運転資金が不足する場合に、借入金を活用してより事業の発展を期することに何ら異論はありませんが、多重債務・債務超過の状態で自転車操業となっている会社に、「自分に任せればいくらでも新たに借入できる」などの言葉で資金繰りに苦しむ事業主に近づき、新たな借金をさせ手数料や報酬を稼ぐ、悪徳な経営コンサルタントが目立ち始めました。
その結果、資金繰り改善どころか2~3年後には破産を余儀なくされるケースも。
返済する見込みのない借金を新たに背負うことは、何の解決にもなりません。現在、利益が出ていない業務や業態を見直した上で不足する資金の調達方法を考えるべきです。
現在の「儲からない仕事」や「儲からないビジネスモデル」を変えない限り、新たに借金しても資金繰りが改善することはありませんから。
そのためには、聞き心地の良い提案に飛びつかないで、国家資格や取組み実績のある専門家に相談されることを強くお薦めします。
時間外労働割増賃金率の引き上げ
2023年4月1日から、1ヶ月の時間外労働(1日8時間・1週40時間を超える労働時間)について、猶予されていた中小企業も50%以上の割増賃金率の支払が義務付けられます。
人手不足が深刻な中小企業において、残業代とはいえ人件費アップは深刻な課題です。
その対策の一つとして、代替休暇を利用してはどうでしょうか。
時間外労働などをさせる場合であっても、会社が労働者の過半数が加入する労働組合や労働者の過半数の代表者と合意した場合には、代替休暇(振替休日)を与えることによって割増賃金の適用を免れることが可能です(労働基準法第37条3項)。
債権回収
山口県阿武町で発生した4630万円の誤送金返金が難航しているようです。これは商売における売掛金回収にも関連する事で、現行法上は回収することの難しさが露呈した形とも言えます。
新規取引先ができることは、経営者にとって喜ばしいことですが、貸倒れのリスクが伴います。取引実勢のない新規の会社にどれだけの与信を与えるのか、をじっくり検討する必要があります。どのような情報や資料を入手し判断を下すのか?
当社では、そのような与信管理のサポートも実施してます。
癒やし
一般社団法人ペットフード協会の令和3年度全国犬猫飼育実態調査によると、今回の調査でも犬の減少傾向が続き、猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回ったようです。
犬でも猫でもペットは可愛いものです。ストレスでイライラしがちな社長にペットはおすすめ。
犬でも猫でもいいのですが、忙しい社長には猫がお勧めです。
散歩の必要はありませんし、媚びない猫独特の距離感が社長への癒やし効果は大きい気がします。
現場から離れられない病
ゼロから立ち上げた創業者社長にありがちな病気の一つに、「現場から離れられない病」があります。
売上が順調に伸びてくると、人を採用しより大きな売上高を目指して進みます。それに伴い、取引先との関係強化や販路開拓、生産体制の見直し、人材採用・教育、銀行取引、債権回収、資金繰りなど会社の成長と共に様々な経営課題が生じてきます。
しかし、「俺がやらなきゃ現場は回らない」と、いつまでも現場の仕事に固執し、経営課題に向かい合おうとしないと、いずれ会社は行き詰まります。舵を握るべき社長が舵を持とうとしないのですから。経営者不在は船長のいない船と同じ。
高い給料を貰っている社長が、安い給料の社員と同じ現場の仕事に終始してどうする。
人を採用したら現場離れを進めましょう。
もし現場の仕事が好きで離れられないなら、社長をやめてサラリーマンになるべきです。